オーストラリアの大学等を卒業後、多くの留学生が現地での就労経験の蓄積や将来的な永住権獲得のチャンス拡大を目指し、「Subclass 485ビザ(一時卒業生ビザ)」を取得して滞在を延長することを選択しています。では、485ビザとはどのようなビザで、申請条件や必要な準備には何があるのでしょうか?本記事では、EduCVが2026年最新の485ビザの申請条件、権利・メリット、必要書類、申請費用および申請手続きについて詳しく解説します。
1. 485ビザ(一時卒業生ビザ)とは?
485ビザ(正式名称:Temporary Graduate Visa / Subclass 485)は、オーストラリアの認定教育機関(CRICOS)で定められたコースを修了した国際留学生に対して、オーストラリア政府が発給する一時滞在ビザです。
485ビザの目的は、卒業後の留学生にオーストラリア国内での生活、就労、実務経験の蓄積のための更なる時間を提供することです。また、技術就労ビザの申請や将来的な永住権(Permanent Residency – PR)取得に向けた重要なステップ(足がかり)となります。
学生ビザ(Subclass 500)とは異なり、485ビザ保有者は在学中のような就労時間の制限を受けません。ビザの条件を満たしている限り、オーストラリア国内のあらゆる企業でフルタイム勤務が可能であり、必要に応じて追加の学習やトレーニングを受ける権利も付与されます。
現在、485ビザはオーストラリアの大学および大学院課程を終えた国際留学生にとって、最も人気のある選択肢の1つとなっています。
1.1. 485ビザの対象者
卒業したすべての留学生が自動的に485ビザを申請できるわけではありません。オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の規定に基づき、本ビザは規定の履修期間を満たし、定められた期限内に申請を行った方を対象としています。
主な対象者は以下の通りです:
オーストラリアの教育機関の課程を修了したばかりの国際留学生
現在、学生ビザ(Subclass 500)またはその他の該当する移行可能ビザを保持している方
オーストラリアに滞在して就職活動を行いたい、または実務経験を積みたい方
将来的に技術就労ビザや永住権の申請を計画している方
帰国前に専門能力やスキルを高めたい方
申請にあたっては、年齢、英語力、履修期間、ビザのステータス、健康状態、身元審査などの複数の基準を同時に満たす必要があります。
※ 注意: 学位や卒業証書を取得したからといって、必ずしも485ビザが発給されるとは限りません。申請書類はオーストラリア内務省による厳正な審査を受けます。

なぜ多くの留学生が485ビザを選ぶのか?
卒業直後は、国際的な環境で実務経験を積む絶好の機会であるため、多くの留学生はすぐに帰国することを望みません。485ビザには以下のような実質的なメリットがあります:
オーストラリアに合法的に追加滞在できる。
フルタイムで働き、実践的な経験を積むことができる。
卒業後の収入を増やすことができる。
専門スキルや英語能力を向上させることができる。
条件を満たせば、技術就労ビザや永住権ビザへ移行するチャンスが高まる。
オーストラリアの多くの採用企業にとって、卒業直後の現地での就労経験は、労働市場での競争力を高める非常に重要な要素となります。
1.2. 485ビザの種類
2024年以降、オーストラリア政府は移民制度改革の一環として485ビザの一部プログラムを調整しました。2026年現在、Temporary Graduate Visa(Subclass 485)は主に以下のストリームで構成されています:
| ビザの種類 | 対象者 | 滞在期間(目安) |
| 高等教育修了後就労ストリーム | オーストラリアで学士(Bachelor)、修士(Master)、または博士(Doctoral)号を取得した学生 | 学位階層および現行政策による |
| 第2次高等教育修了後就労ストリーム | 初回の高等教育修了後就労ストリームでの滞在を終了し、指定の地方地域(Regional)で学習・居住した方 | オーストラリア政府の規定による |
※ 注意: 以前存在した Graduate Work Stream(技能ワークストリーム)等は、ビザ制度の改革に伴い調整・変更されています。485ビザの申請を検討する際は、政策が変更される可能性があるため、申請時点での最新の規定を確認することが推奨されます。
485ビザの各ストリーム比較
| 項目 | 高等教育修了後就労ストリーム | 第2次高等教育修了後就労ストリーム |
| 対象者 | 大学・大学院等の卒業生 | 既に485ビザを保持し、地方地域(Regional)要件を満たす方 |
| 目的 | 卒業後の就労・実務経験 | 地方地域(Regional)での滞在期間延長 |
| 主な条件 | 対象となる課程の修了 | 学習地域および居住地域に関する要件を満たすこと |
| 機会 | 専門的なキャリア・経験の蓄積 | さらなる就労期間の確保と永住権準備 |
2. 2026年最新:485ビザの申請条件
485ビザの交付を受けるには、年齢、学習期間、英語力、ビザステータス、健康状態、身元(人物確認)など、多くの条件を同時にクリアする必要があります。事前に漏れなく準備を行うことで、審査の成功率を高め、手続き中のトラブルを防止できます。
2.1. 共通条件
各ストリームに独自の要件があるものの、すべての申請者は以下の基本条件を満たす必要があります。
年齢制限
申請時点で35歳以下であること。(※ただし、香港パスポート保有者や英国国民(海外)パスポート保有者など、特定ケースにおいてはオーストラリア政府の規定により異なる年齢制限が適用される場合があります。)
対象コースの修了
CRICOS(Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Students)に登録されているコースを修了していること。
また、オーストラリア学習要件(Australian Study Requirement)を満たす必要があります:
最低92週(約2学年)以上のコース構成であること。
実際にオーストラリア国内で16ヶ月以上学習していること。
授業が英語で行われていること。
適切なビザの保持
通常、以下の要件を満たす必要があります:
学生ビザ(Subclass 500)またはその他の該当する移行可能ビザを保持していること。
オーストラリア国内に滞在中に申請すること。
コース修了後、定められた期限内に485ビザを申請すること。
※ 注意: 申請期限を過ぎてしまうと、他の条件を満たしていても485ビザを申請する機会を失う可能性があります。
コースの修了および結果の受領
申請前に、教育機関からコースを完全に修了したことを証明する以下の書類を取得する必要があります:
Completion Letter(修了証明書)
Academic Transcript(成績証明書)
学位記・卒業証書(発行済みの場合)
2.2. 英語力の条件
英語能力の証明は、485ビザ申請における重要な要件の1つです。現在、オーストラリア政府は以下の国際英語試験のスコアを受け入れています:
IELTS Academic または General Training
PTE Academic
TOEFL iBT(申請時点の受入対象リストに入っている場合)
Cambridge C1 Advanced
OET(特定職種向け)
必要とされる最低スコアおよび成績証明書の有効期限は、時期により調整される場合があります。申請前にオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の公式ウェブサイトで最新の要求事項をご確認ください。
💡 アドバイス: 485ビザの申請を計画している場合は、書類準備の遅れを防ぐため、卒業前に英語試験を受験しておくことをお勧めします。
2.3. その他の要求事項
適切な医療保険の加入
485ビザでの滞在期間中は、オーストラリア政府の基準を満たす医療保険を維持する必要があります。多くの場合、留学生保険(OSHC)終了後に「訪オーストラリア滞在者向け医療保険(OVHC: Overseas Visitor Health Cover)」へと切替えますが、適切な保険プランは個人のビザ状況により異なります。
健康状態の要件
申請者は、オーストラリア政府が指定する医療機関での健康診断を求められる場合があります。公衆衛生への影響や医療システムへの過度な負担を防ぐための措置です。
身元(人物)要件
犯罪歴がないことを証明するため、オーストラリア連邦警察(AFP)発行の無犯罪証明書(National Police Check)を提出する必要があります。場合によっては、追加の司法確認書や身元に関する書類の提出が求められることもあります。
過去のビザ条件の遵守
過去にビザの条件違反がある場合、485ビザの審査に悪影響を及ぼしたり拒否されたりするリスクがあります。例:
学生ビザでの規定時間超過の就労
虚偽情報の申告
滞在条件の不遵守
3. 485ビザ保有者の権利とメリット
485ビザは、単なる滞在延長の許可にとどまらず、オーストラリアでの実務経験、スキルの向上、そして長期的なキャリアや永住権への道筋を立てるための貴重な期間となります。
3.1. 滞在可能期間
オーストラリア国内で合法的に生活を続けることができます。滞在期間は、取得する485ビザのストリームおよび最終学歴によって異なります。この期間を利用して、現地での就職活動、実務経験の蓄積、次のビザへの準備を行うことができます。
3.2. 就労の自由度
485ビザを取得すると、学生ビザ(Subclass 500)のような労働時間の制限がなくなり、オーストラリア国内でフルタイム勤務が可能になります。
オーストラリアの企業で勤務可能
より良い機会があれば転職も可能
多様な業界での勤務が可能
専攻分野と同じまたは異なる職種での就労が可能
専攻分野に関連する職種で勤務することは、将来の技術移民ビザやスポンサービザ申請のポイント加算にも有利に働きます。
3.3. 追加学習・スキルアップの機会
就労だけでなく、短期コース、実務スキルアップ講座、英語講座などの追加学習を行うことも認められています。これにより、労働市場での競争力をさらに高めることができます。
3.4. 一時帰国・渡航と家族の同伴
ビザ有効期間中であれば、何度でもオーストラリアへの出入国が可能です(一時帰国、出張、旅行、国際会議・講座への参加など)。
また、条件を満たせば、以下の扶養家族を帯同させることができます:
配偶者(結婚相手)
事実婚パートナー(De facto partner)
扶養している子供
同伴する家族も、オーストラリア政府の規定に基づき、就労や学習に関する一定の権利を得ることができます。
3.5. 永住権(PR)獲得への影響
485ビザ自体は永住ビザではなく、取得によって自動的に永住権(PR)が得られるわけではありません。しかし、現地での実務経験の獲得、技術査定の条件クリア、ポイント制移民での加算、雇用主スポンサーの獲得など、永住権獲得に向けた強力な足がかりとなります。
※ 注意: 永住権および技術移民ビザの条件は時期により変更される可能性があります。内務省の最新情報をご確認いただくか、信頼できる専門機関へのご相談をお勧めします。
4. 485ビザ申請の必要書類チェックリスト
審査をスムーズに進めるため、オーストラリア内務省の要求に従って漏れなく書類を準備する必要があります。情報の不足や誤りのある申告は、追加書類の要請、審査期間の長期化、あるいはビザ却下につながる可能性があります。

4.1. 個人身元証明書類
| 書類名 | 目的 |
| 有効なパスポート | 身元確認 |
| 出生証明書(必要な場合) | 個人情報の照合 |
| 証明写真(規定サイズ) | ビザ申請用 |
| 姓名変更証明書(該当者のみ) | 氏名変更の確認 |
※ 注意: パスポートはビザ発給に影響が出ないよう、十分な有効期限が残っていることを確認してください。
4.2. 学歴証明書類
Completion Letter(修了証明書)
Academic Transcript(成績証明書)
学位記・卒業証書(既に取得している場合)
CRICOSコース情報
大学によっては公式な卒業証書の授与前に修了証明書を発行します。申請時はこの書類を用いてコース修了を証明できます。
4.3. 英語能力証明書
有効期限内かつオーストラリア政府が認める英語試験の成績証明書:
IELTS
PTE Academic
Cambridge C1 Advanced
TOEFL iBT(申請時点の規定による)
OET(特定職種向け)
4.4. 健康・身元証明書類
AFP(オーストラリア連邦警察)無犯罪証明書(National Police Check)
健康診断結果(要求された場合)
485ビザ基準を満たす医療保険(OVHC)
4.5. 帯同家族の書類(該当する場合)
婚姻関係証明書
子供の出生証明書
帯同家族のパスポート
家族関係を証明する書類
5. 2026年最新:485ビザ申請費用の目安
485ビザの申請には、申請手数料のほか、各種証明書や保険料などの費用がかかります。全体の概算費用は約 2,600〜3,500 AUD(約 4,400万〜5,900万ドン / 為替レートにより変動・帯同家族がいる場合は追加)となります。
5.1. ビザ申請手数料(内務省納付金)
| 対象者 | 費用(AUD) |
| 主申請者 | 2,235 AUD |
| 18歳以上の帯同家族 | 1,115 AUD |
| 18歳未満の帯同家族 | 560 AUD |
※ 注意: 上記金額は掲載時点の参考価格です。オーストラリア政府により毎年改定される場合があります。
5.2. 健康診断費用
約 350〜500 AUD(約 600万〜850万ドン)。ベトナム国内等の指定医療機関で受診する場合の目安であり、年齢や検査項目により異なります。
5.3. AFP Police Check費用
約 42 AUD(約 700,000ドン)。オーストラリア連邦警察のオンラインシステムから直接申請可能です。
5.4. 医療保険費用(OVHC)
| 対象 | 費用目安 |
| 単身(Personal) | 60〜120 AUD / 月 |
| 家族(Family) | 150〜300 AUD / 月 |
年払いの場合は約 700〜1,400 AUD / 年となります(保険会社、補償内容、年齢により変動)。
5.5. 翻訳・公証費用
ベトナム語書類の翻訳・公証・原本証明が必要な場合、約 200,000〜1,000,000ドンの費用が別途発生します。
【申請費用総額の目安】
およそ 3,300〜4,200 AUD(約 5,600万〜7,100万ドン / 為替レートや選択する保険プランによる)。
485ビザは、オーストラリアでの卒業後にキャリアを築き、専門能力を高め、将来の可能性を広げるための絶好の機会です。ビザ申請をスムーズに成功させるためには、条件、書類、費用、スケジュールに関する規定を正確に把握し、オーストラリア政府からの最新情報を常に確認することが重要です。
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